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公益財団法人市民防災研究所 公式ブログ

当研究所からのお知らせや防災・減災情報を発信!

避難所開設訓練を実施してみませんか?-アクションカードを使った訓練を実施しています-

当研究所では近年、各自治体からの依頼により避難所開設訓練の企画・運営を支援しています。平成30年度からは、避難所開設の指示書となる「アクションカード」を取り入れた訓練を提案し、実施しています。

アクションカードを使った災害対応力向上に取り組んでいます

アクションカードを使った避難所開設訓練

避難所開設訓練は、避難所の校門の鍵を開錠するところからスタートし、避難者を避難所の施設の中に受け入れるまでの手順を体験する、より実践的な内容となっています。

大地震直後、避難所に急いで来てもすぐに避難所の中には入れません。二次災害を防ぐために施設の安全を確認し、避難者を受け入れる準備が整うまで、避難者は校庭などの安全場所で待機してもらいます。

その一方、避難所運営委員会のメンバーは、避難者を待機させている間、施設が避難所として使用できるかどうかを確認する安全点検を行い、避難所の使用可否を判断します。使用可能と判断されれば、続いて、避難者の立入禁止場所の表示や居住スペースの通路確保など避難者を受け入れるための準備を行い、それから避難者を順次校舎内に受け入れていく流れが基本的な避難所開設手順になります。

訓練を実施するにあたって

(1)避難所に真っ先にかけつける人は

それぞれ地域の避難所運営委員会では、避難所を“運営”するための組織を事前に編成しているところが多いと思います。

大地震直後は、地域の災害対応として住民の安否確認や救出救護、消火活動など、人命救助と被害拡大防止に全力を注ぎながらも、避難してくる避難者のために避難所の開設も同時に行うことになります。

しかしながら、多くの避難所運営委員会のメンバーは、地域の災害対応に当たる自主防災組織のメンバーも兼ねていることが多いと思います。そうすると、直後はどちらの立場で活動をするのでしょうか?

そこで、避難所に真っ先にかけつける人を決めておく必要があると思います。

そのためには、避難所運営委員会の中で避難所に真っ先にかけつける「避難所初動要員」を決めておくこと。もう一つは、自主防災組織に「避難所初動班」を設けることです。

自主防災組織編成(例)

地域では、自主防災組織と避難所組織がそれぞれ別々に設置され、日ごろはそれぞれが独立して活動をしていますが、実態としては構成する中心メンバーはほぼ同じで、自主防災組織と避難所組織の連携を考える必要があると考えています。

基本的には、自主防災組織は「地域の災害対応」のことだけを、避難所組織は「避難所」のことだけを考えた組織になっています。

(2)避難所初動組織の見直し

避難所を開設するときは、避難所運営委員会の少数のメンバーを中心に、避難者の協力を得て行うことになります。

事前に決められた避難所を運営するための組織編成で避難所の開設をしようとすると、それぞれの担当にメンバーを配置しなければならずマンパワーが分散され、避難所開設時に必要でない担当もでてきます。

そこで、少ない人数で避難所を開設することを考えた組織編成が必要になります。

避難所開設時にすべきことは、「避難者の対応」「避難所の安全点検」「避難者の受入準備」と大きく3つあります。それに対して役割分担すると、司令塔となる「総括班」、避難者の対応に当たる「避難者対応班」、施設の安全点検をして避難者の受入準備をする「避難者受入準備班」と3つの班編成にすると、マンパワーを集約させてよりスムーズに動けるのではないかと考えています。

避難所組織(例)

(3)避難所ボックスの準備

訓練の実施に当たっては、避難所開設に必要なアクションカードや掲示物、文房具などの物品をまとめた避難所ボックスを準備して訓練を行っています。

避難所ボックス

このように訓練を実施するにあたっては、組織の見直しなども含めて地域住民の方に考えてもらっています。

※当研究所の避難所開設訓練では、上記の3班編成での訓練を推奨しています。

訓練プログラム
訓練時間:150分程度

避難所開設アクションカード一覧表(例)

(1)初動対応
・一時集合場所を開放します。
・学校及び周辺の被害を確認します。
・校舎玄関の鍵を開錠します。
・避難所ボックスを運び出します。
・避難所本部を設置します。

アクションカード【避難所開設版】

(2)総括班
・各班のリーダーに指示
・総括班のメンバーに指示
・明かりの確保
・情報収集と情報整理
・情報掲示板・伝言板の設置
・リーダー会議の開催
・自治体災対本部への避難所開設報告

(3)避難者対応班
・避難者対応班のメンバーに指示
・避難者へのアナウンス
・傷病者(病人・けが人)への対応
・要配慮者(支援が必要な人)への対応
・避難者待機スペースの設営
・ペット同行避難者への対応
・マンホールトイレの設置(屋外)
・避難者受付・総合案内の設置
・避難者の受入(受付)開始

(4)避難者受入準備班
・避難者受入準備班のメンバーに指示
・施設の安全点検
・避難所利用方針の決定
・避難所共通ルールの決定
・トイレ使用禁止の措置
・居住スペースの設営
・特設公衆電話の設置
・簡易トイレの設置

※基本編に、要配慮者対応やペット対応の訓練などを加えて実施することもできます。

事前に必要となる掲示物は作成しておくなど、日ごろから準備しておくことで少ない人数でより早く避難所を開設することができます。

事前に準備した「避難所掲示物」

訓練の成果は“気づき”

訓練参加者のアンケートで、訓練があなたにとって役に立ったかどうか聞いたところ「大変役立った」又は「役立った」と98.4%(H29年度実績)の人が回答しました。

訓練の最大の収穫は、実際に訓練で避難所開設を体験することで、避難所開設に備えて取り組むべきことや訓練を通して改善すべき点などのたくさんの“気づき”が生まれたことです。その結果、避難所運営委員会などの活性化にもつながっていくことが期待されます。

これまでの主な実績
・北区避難所開設訓練
・葛飾区避難所開設訓練
・川崎区避難所開設訓練
・宮前区避難所開設訓練
・麻生区避難所宿泊訓練

避難所運営委員会で話し合いだけでなく、訓練を行うことにより具体的にやるべき取り組みが見えてきます。また、気づきを生かして事前の準備をすることによって円滑に避難所の開設ができるようになります。

ぜひみなさんの地域でも、避難所開設訓練を実施してみませんか?

当研究所では、訓練に向けた勉強会から訓練の企画・運営まで支援しております。
訓練の詳細につきましては、当研究所までお問合せください。

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