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公益財団法人市民防災研究所 公式ブログ

当研究所からのお知らせや防災・減災情報を発信!

避難所開設訓練を実施してみませんか?

当研究所では近年、各自治体からの依頼により避難所開設訓練の企画・運営を支援しています。

避難所開設訓練は、避難所の校門の鍵を開錠するところからスタートし、避難者を避難所の施設の中に受け入れるまでの手順を体験する、より実践的な内容となっています。

大地震直後、避難所に急いで来てもすぐに避難所の中には入れません。二次災害を防ぐために施設の安全を確認し、避難者を受け入れる準備が整うまで、避難者は校庭などの安全場所で待機してもらいます。

その一方、避難所運営委員会のメンバーは、避難者を待機させている間、施設が避難所として使用できるかどうかを確認する安全点検を行い、避難所の使用可否を判断します。使用可能と判断されれば、続いて、避難者の立入禁止場所の表示や居住スペースの通路確保など避難者を受け入れるための準備を行い、それから避難者を順次校舎内に受け入れていく流れが基本的な避難所開設手順になります。

訓練を実施するにあたって

(1)避難所に真っ先にかけつける人は

それぞれ地域の避難所運営委員会では、避難所を“運営”するための組織を事前に編成しているところが多いと思います。

大地震直後は、地域の災害対応として住民の安否確認や救出救護、消火活動など、人命救助と被害拡大防止に全力を注ぎながらも、避難してくる避難者のために避難所の開設も同時に行うことになります。

しかしながら、多くの避難所運営委員会のメンバーは、地域の災害対応に当たる自主防災組織のメンバーも兼ねていることが多いと思います。そうすると、直後はどちらの立場で活動をするのでしょうか?

そこで、避難所に真っ先にかけつける人を決めておく必要があると思います。

そのためには、避難所運営委員会の中で避難所に真っ先にかけつける「避難所初動要員」を決めておくこと。もう一つは、自主防災組織に「避難所初動班」を設けることです。

自主防災組織編成(例)

地域では、自主防災組織と避難所組織がそれぞれ別々に設置され、日ごろはそれぞれが独立して活動をしていますが、実態としては構成する中心メンバーはほぼ同じで、自主防災組織と避難所組織の連携を考える必要があると考えています。

基本的には、自主防災組織は「地域の災害対応」のことだけを、避難所組織は「避難所」のことだけを考えた組織になっています。

(2)避難所初動組織の見直し

避難所を開設するときは、避難所運営委員会の少数のメンバーを中心に、避難者の協力を得て行うことになります。

事前に決められた避難所を運営するための組織編成で避難所の開設をしようとすると、それぞれの担当にメンバーを配置しなければならずマンパワーが分散され、避難所開設時に必要でない担当もでてきます。

そこで、少ない人数で避難所を開設することを考えた組織編成が必要になります。

避難所開設時にすべきことは、「避難者の対応」「避難所の安全点検」「避難者の受入準備」と大きく3つあります。それに対して役割分担すると、司令塔となる「総括班」、避難者の対応に当たる「避難者対応班」、施設の安全点検をして避難者の受入準備をする「避難者受入準備班」と3つの班編成にすると、マンパワーを集約させてよりスムーズに動けるのではないかと考えています。

避難所組織(例)

このように訓練を実施するにあたっては、組織の見直しなども含めて地域住民の方に考えてもらっています。

※当研究所の避難所開設訓練では、上記の3班編成での訓練を推奨しています。

訓練プログラム
訓練時間:150分程度

避難所開設訓練タイムスケジュー【基本編】(例)

(1)総括班
・避難所本部の設置
・活動班編成表(任務分担表)の作成
・班長会議の招集と開催
・自治体災害対策本部への状況報告
・情報収集・整理と作業の進捗管理

(2)避難者対応班
・避難者への待機指示(呼びかけ文作成)
・避難者用待機スペースの整備
・情報掲示板の設置と掲示物の作成
・避難者伝言コーナーの設置
・災害用仮設トイレの設置
・避難者受付と総合案内の設置
・避難者の受付業務

(3)避難者受入準備班
・施設の安全点検
・危険箇所の立入禁止等の措置
・避難所利用計画の決定
・避難所共通ルールの決定
・案内看板等の作成と掲示
・トイレの使用禁止措置
・立入禁止場所等の措置
・居住スペースの通路確保

※基本編に、要配慮者対応やペット対応の訓練などを加えて実施することもできます。

事前に必要となる掲示物は作成しておくなど、日ごろから準備しておくことで少ない人数でより早く避難所を開設することができます。

事前に準備した「避難所掲示物」

訓練の成果は“気づき”

訓練参加者のアンケートで、訓練があなたにとって役に立ったかどうか聞いたところ「大変役立った」又は「役立った」と98.4%(H29年度実績)の人が回答しました。

訓練の最大の収穫は、実際に訓練で避難所開設を体験することで、避難所開設に備えて取り組むべきことや訓練を通して改善すべき点などのたくさんの“気づき”が生まれたことです。その結果、避難所運営委員会などの活性化にもつながっていくことが期待されます。

これまでの主な実績
・北区避難所開設訓練
・葛飾区避難所開設訓練
・川崎区避難所開設訓練
・宮前区避難所開設訓練

避難所運営委員会で話し合いだけでなく、訓練を行うことにより具体的にやるべき取り組みが見えてきます。また、気づきを生かして事前の準備をすることによって円滑に避難所の開設ができるようになります。

ぜひみなさんの地域でも、避難所開設訓練を実施してみませんか?

当研究所では、訓練に向けた勉強会から訓練の企画・運営まで支援しております。
訓練の詳細につきましては、当研究所までお問合せください。

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