文字サイズ

公益財団法人市民防災研究所 公式ブログ

当研究所からのお知らせや防災・減災情報を発信!

平成27年度新小岩地域防災会議の取り組み!~どうする?!安否確認~

 当研究所では、平成27年度、新小岩地区地域防災会議支援業務(東京都葛飾区)を受託し、地域防災会議と防災訓練等の企画・運営を支援しました。
 今年度は、災害時要配慮者をテーマにし、大地震時の避難行動要支援者を含む住民の安否確認と避難支援の取り組みをご紹介します。

平成27年度新小岩地域防災会議の取組

■ どうする?!大地震直後の安否確認

 平成26年11月に発生した長野県神城断層地震では、大きな被害があった白馬村堀之内地区では、事前に決めてあったピラミッド型の安否確認システムにより住民らが迅速に安否を確認し、生き埋めになっていた住民を助け出し、犠牲者はでませんでした。
 その一方、長野市内のある地区では、震度5強から震度6弱程度の揺れが発生したにも関わらず、自主防災組織が組織されていたものの対応基準が明確になっていなかったため組織的な活動が行われませんでした。

 さて、みなさんの自主防災組織では、大地震時の安否確認をどのように行うか決めていますか?

 安否確認は、自主防災組織の母体である町会・自治会などの最小グループ単位(部、班など)で実施すると、1グループ当たりの確認人数も少なくなり迅速に行うことができます。また、いつ、誰が、誰の安否を確認するかをはっきりと決めておくことが大切です。

■ 安否確認実施計画づくりのヒント

1)安否確認実施基準
 安否確認は、震度情報などをもとに自発的に実施されることが望ましく、そのためには実施する基準を明確にします。
(例)葛飾区(東京23区)で震度5強以上の地震が発生した時
   または立っていることが困難になるほどの強い揺れを感じたとき

2)安否確認対象者
 東日本大震災後の災害対策基本法の改正で、避難行動要支援者名簿が自主防災組織にも提供することが可能になりました。安否確認の対象者を、要支援者名簿登載者だけにする方法もありますが、しかし、名簿情報は作成時点での情報でしかなく、また、健常者でも家具等の下敷きになり助けを求めている人がいる可能性も十分に考えられ、基本的にはすべての地域住民を対象に安否確認をして、人的被害を軽減させることが重要だと考えています。

3)安否確認の実施方法
 安否確認の方法はさまざまあり、安否確認の方法を当研究所では大きく3つに分類しました。各自主防災組織の地域事情に合わせて、最適な方法を検討してください。

安否確認方法

 避難行動要支援者は、訪問型による安否確認しか方法はありません。しかし、健常者含めてすべてを訪問型で安否確認すると、対象者が多い場合には全員の安否を確認できるまで時間を要し、さらに多くの人員を必要とします。そこで、無事の人には、掲出型や報告型のように自ら無事であることを示してもらうことで、迅速に安否確認することができ、担当者の負担軽減にもつながります。

 さらに、報告型のメリットは、迅速に安否が確認できるだけでなく、身近な場所に安否と被害状況を伝えるために近所の人が集まってきます。その人たちに安否確認や避難支援などの協力を依頼することで、災害対応のマンパワー確保にもつながり、さまざまな対応が迅速にでき、被害軽減にもつながります。

 報告型+訪問型、掲出型+訪問型のように組み合わせて実施するとよいでしょう。

安否確認(報告型+訪問型)住民周知用ポスター

安否確認(報告型+訪問型)住民周知用ポスター

4)役割分担
 安否確認は、自主防災組織の役員だけで実施するのではなく、民生委員や地域住民のそれぞれの役割も整理して、お互いに協力して実施する体制を構築しておきましょう。

■ まちかど防災訓練
 新小岩地域防災会議では、新小岩第一自治会をモデル地区にまちかど防災訓練を実施しました。

(1)安否確認訓練

報告型安否確認訓練

報告型安否確認訓練

 新小岩第一自治会の2地区6班約100世帯を対象に安否確認訓練を実施しました。
 同自治会では、無事の人は班長の自宅前に集合して自ら無事を報告し、報告がない世帯を班長などが訪問して安否を確認することを決めて訓練を実施しました。

 訓練では、対象世帯約4割の世帯から無事の報告があり、約4割の世帯を訪問して安否を確認しました。
 若い人の参加もあり、迅速に安否確認する方法として、住民一人ひとりに無事のときは自ら安否を報告してもらう仕組みは有効であると結論づけられました。

(2)避難支援訓練(長距離搬送訓練)

長距離搬送訓練

長距離搬送訓練

 避難行動要支援者の避難支援者として位置づけられている自主防災組織ですが、普段の防災訓練では、担架搬送方法などの訓練を実施していると思いますが、長距離の搬送訓練の経験は少ないと思います。そこで、自主防災組織が保有する担架などの搬送資器材を活用して、約400メートルの距離を搬送する訓練をしました。
 長距離の搬送には、交代要員も含めて多くの人手が必要になることを改めて痛感するとともに、要支援者を避難させるときの支援者の担い手をどう確保するかが問題としてあげられました。

■ 安否確認等計画策定指針を作成
 今年度の新小岩地域防災会議の活動成果を取りまとめ、各自主防災組織で計画づくりの参考になるように「大地震直後時の安否確認及び避難支援実施計画策定指針」を作成しました。

実施計画策定指針

平成26年度新小岩地域防災会議の取り組み!~避難所初動組織などの見直し~
平成28年度新小岩地域防災会議の取り組み!~どうする?!ペット同行避難~

 - 事業活動紹介, 防災の取り組み

ページの先頭へ戻る